~貿易取引を円滑に行うためのポイント~
筆者は20歳の頃から中国ビジネスに関わり、すでに30年近くの経験を持っています。「中国との商売では騙されるのではないか?」とよく聞かれますが、幸いにも筆者はあまり騙されていません。
その理由は、「第三者の話は、絶対に聞かない」 という基本ルールを守っているからです。
すなわち、自分で考えて行動することに徹することで、騙されるリスクを大きく減らすことができるのです。
1. 「紹介」はリスクが高い
ビジネスにおいて騙される最も大きな要因は、「他人にアドバイスを求めること」 や 「他人の紹介に頼ること」 です。
特に海外取引では、知人や仲介者の紹介を通じた取引は、逆にリスクを高める要因になりやすいです。
なぜなら、紹介された相手には「紹介者がいる」という安心感を持ちやすく、その安心感が油断を生み、結果的に騙されやすくなるからです。
筆者自身は、基本的に周囲の人間に紹介されたメーカーとは取引しないと決めています。
2. 取引先は「自分で探す」のが成功のカギ
紹介者がいない状態で、まっさらな関係で取引する ことこそが、成功の秘訣です。
全く知らないメーカーと直接連絡を取り、自分で判断して選定する方が、結果として良好な取引ができる傾向にあります。
この考え方は、歴史にも通じるものがあります。例えば、皇帝が暗殺されるケースの多くは、最も身近な側近や親族によるものです。
つまり、「信頼できると思っている相手」こそが、最大のリスクとなることもあるのです。
3. 「値切りすぎない」ことが安定した取引を生む
もう一つ重要なのは、価格交渉で値切りすぎない ことです。
海外取引で「騙された」と感じるケースの多くは、実は買い手が過剰に値切った結果、相手が損を取り戻そうとしたことが原因である場合が少なくありません。
ビジネスにおいては、
- 誰かが一方的に勝ち
- 誰かが一方的に負ける
という関係では、長期的な成功は望めません。
買い手が価格を押さえ込みすぎると、売り手はそれを取り返そうとして、品質を下げたり、不正を働いたりすることがあります。
よって、双方の利益がバランスする取引を意識すること が、円滑なビジネスを実現するポイントです。
まとめ:貿易取引を成功させるための心得
- 「第三者の紹介」に頼らず、自分で取引先を見極める。
- まっさらな状態で交渉を開始し、余計な仲介を入れない。
- 過度な値切りは避け、双方が納得できる価格で取引する。
この3つを守ることで、貿易取引におけるリスクを最小限に抑え、安定したビジネス関係を築くことができるのです。
これが筆者の30年近い貿易経験から導き出した、「嘘を見抜く力」の本質です。