貿易コラム:中国企業の見積もりスピードに驚く—中国ビジネスで重要な対応力とは?
筆者は長年、中国貿易事業を行っていますが、日本と中国のビジネス環境には根本的な違いがあります。その中でも特に大きな違いは、中国企業の見積もりスピードです。
日本企業 vs. 中国企業の見積もり対応の違い
日本企業との取引では、コンプライアンスが厳しく、
- 取引実績の確認
- 企業アンケートの提出要求
- Due Diligence(適正評価)
といった手続きが求められます。
新規に取引口座を開くためにも、細かい審査や過去の実績の開示が必要となり、取引開始までに時間がかかります。
一方、中国企業の場合、初めての取引でも、審査なしで即座に見積もりを作成する というスピード感があります。
例えば、筆者が深センの工場に発注しようと連絡した際、帰宅途中の営業担当が即座に見積もりを送ってきた ということもありました。
中国企業のスピード対応の理由
中国には、類似する企業が無数に存在し、価格と速度の競争が激しいため、見積もりに時間をかけると顧客を失ってしまいます。
そのため、中国の企業は、
- 素早く見積もりを出し、顧客をつなぎとめる
- 即決・即対応しなければ市場競争に負ける
という意識が強く、驚くほどのスピード対応が当たり前になっています。
支払い条件の違い:キャッシュフロー管理の重要性
中国企業との取引では、後払いがほとんど認められない のも大きな特徴です。
標準的な支払い条件は、
- 着手金 30~50%
- 出荷時に残金全額を支払う